炎上したiPad卒業証書 企画者の話を聞くと180度意見が変わった話

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(画像はCREATIVE ISLAND公式サイトより引用)

本日、沖縄でおこなわれた「CREATIVE ISLAND 発想 × UI × テクノロジー」に参加してきました。

CREATIVE ISLANDは琉球インタラクティブさんが企画する、Webを中心としたプロモーション(デジタルプロモーション)についてのトレンドやトピックスを取り上げて沖縄の広告プロモーションをクリエイティブなものにしていくためのイベントです。今回はUIがテーマということで、ゲストに面白法人カヤックの「佐藤ねじ」さんと、元カヤックでありSXSWで活躍した「衣袋宏輝」さんをゲストに招いての公演でした。カヤックさんでの多種多様な実績を交えたお話は、とても勉強になるものでした。(この話もいつかまとめたい。)

iPad卒業証書

さて、この公演を聞く前から少し気になっていた事がありました。それは最近、ネットで話題になっていた「iPad卒業証書」です。今回のゲストである「佐藤ねじ」さんが企画・デザインに関わったプロジェクトで、多摩市立愛和小学校の卒業生8人にiPadを卒業証書として贈るというものです。

iPad卒業証書
(画像は佐藤ねじ様のサイトより引用)

その内容は、

制作はカヤックが担当。レーザーカッターで賞状の文様を裏面に彫り込んだiPadを起動すると、卒業アルバムのように「クラスメート」「担任」「下級生」「職員室」のアイコンが並ぶ。それぞれの直筆メッセージに加え、6年間の行事の写真や校歌、身長体重の成長データを収録する。未来の自分に向けた3つのタイムカプセルメッセージは、3年後/6年後/12年後しか開けないようになっている。(IT Mediaニュース様より引用)

というものでした。

批判的な意見が多数で炎上

動画や写真を使った卒業証書は、同級生の声などを聞く事ができ思い出に残りそうだなと思うものの、気になるのは3年後/6年後/12年後も見るというところ。iPadなどのデバイスは消耗品、そんなに長くもつものではありません。数年後、見てみようと思っても、バッテリーが壊れて電源すら入らない、ってこともありそうです。いいアイデアだけど、そんなの渡したら迷惑だろwというのが感想です。twitter上の反応も同じ感じで、
・驚異の12年縛り
・電子機器の陳腐化無視
・12年後に同じipadは使ってないよね。
・12年後のiOSで開けるのかどうかも不明
・エイプリルフールねたなの?
とか散々の言われようです。はてなブックマークなどにも飛び火して、炎上してしまいました。

ネットで炎上するのはわかっていた

「佐藤ねじ」さんのお話も中盤に向かう頃、ついに「iPad卒業証書」のお話がでてきました。どんな話になるのだろうとドキドキしていた所、まず言われた事が「iPad卒業証書がネットで炎上するのはわかっていました。」です。・・・そう、わかっていたのですね。よくよく考えるとわかるのですが、ペーペーの私がニュースを見て脊髄反射的に思った「12年持たないだろう!」というツッコミ。その問題をプロジェクトを進めていく上で誰一人も気づかないわけがありません。私の意見は非常に底が浅い反対意見だったわけです。
とりあえず、ネットで炎上した問題とそれに対する回答はこちら

12年後にiPadが動くと思っているの?

データはクラウド上に保管してあります。iPadがこのままずっと使えるとも思いませんし、そもそもタブレットのようなデバイスで12年後に見るかもわかりません。何を使って見るかもわからない、3年後、6年後、12年後、その時々の環境に合わせた形で提供していく予定です。

iPadの時計を未来にすれば、数年後のコンテンツも見れてしまうだろう

データ自体をアップロードしていません。3年後、6年後、12年後に手動でアップしていきます。

カヤック自体がなくなってる可能性もあるじゃん、誰がサポートするの?

開発者全員の連絡先を記載しています。もちろん会社ではなく個人のものです。

という具合に、すべて想定された上で制作されていました。

面白半分ではない、本気のプロジェクト

ネット上では「カヤックが面白さだけでやった」とかの意見もありますが、話を聞くと全くそんな感じには思えませんでした。学校と連携した企画から開発、3年後/6年後/12年後の手動アップロード、iPadの調達、Webページの制作、個人の連絡先の公開、とてもじゃないですが、面白いからという理由だけでやれるものではないです。たぶん純粋に、子供達の未来を考えて実行されたプロジェクトなんだなと思いました。

ちなみに、この内容はすでにIT Mediaニュースさんの方で続報として書かれていました。
「iPad卒業証書」に込められた狙いと思い 自由に使えるタブレットが「未来につながれば」

ちゃんと、制作者の意図が含まれた記事もあったんですね。最初の上澄みだけをみて終わりではなく、制作の背景もしっかりと考えて記事を読まないといけないなと反省したお話でした。

オススメUIの本


UIというかUXよりですが、複雑さ=難しさ シンプルさ=簡単さ ではない、文化的な側面や人の習慣、様々な事を配慮したデザインの必要性。一見難しそうなないようですが、実例の写真を交えてあり、楽しく読めますのでオススメです。

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