デザイナーとして深く心に刺さった良書「デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手」

デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手

デザイナーとして働いてから7年。私が今まで読んだデザインの書籍で強烈に心に残ったひとつです。
それが、ハルトムット・エスリンガー著の「デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手」。

ハルトムット・エスリンガーとは

この本の著者「ハルトムット・エスリンガー」はフロッグデザインの創設者であり、アップルの他、ソニー・ルイヴィトン・ディズニー・SAPなど有名会社の商品デザインを手がけ、様々なイノベーションを起こしました。
特に有名なのがアップルのデザインです。近年アップルのデザインの話になると取り上げられるのは「ジョナサン・アイブ」です。しかし、それよりずっと前にハルトムット・エスリンガーはアップルの基礎を作りました。
・コンパクトでクリーンなデザインにする。色は白。
・グラフィックとフォントもすべて、クリーンで整然としたデザインにする。
・最先端の技術を駆使して、スマートでハイテクを感じさせる製品とする。
彼がつくった基礎は「スノーホワイト」とよばれ、今日のアップルまでずっと引き継がれ強力な武器になっています。

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1985年制作、ハルトムット・エスリンガーのコンセプトデザイン。この時点で今のMacの大部分が完成している。 photo by www.designboom.com

デザインとはビジネス戦略の武器である

そんな彼が書いた本には、デザインは「見栄え」ではなく、顧客にエクスペリエンスを提供し、プロセスや社会・環境などのニーズも考慮したをビジネス戦略のひとつとしてとらえるべきでとしています。例えば、クライアントから依頼された商品だけをデザインするのではなく、その会社の背景・社会的位置・ビジネスモデルすべてを考慮してデザインすべきということです。

このことは、デザイナーとして何年か働いていると何となくわかってきます。しかし、それを実行できるかというと、うまくいかない。やろうと思っているけどできない。そんなモヤモヤした気持ちで読んでいると下記の様な文が目に飛び込んできました。

デザイン主導のイノベーションが失敗に終わることが意外と多いのは、たいていはデザイナーがクライアントや上司より弱い立場に置かれているせいだ。

あぁ、これだ。そう言われてみると、原因はこれなんだ。
私にはクライアントや上司を納得させる武器がとっても少ない。経営的な数字がわからないし、長期的なビジネスモデルも考えていない。そんなデザイナーに提案された案なんて、説得力が少ないのは当然です。自分自身のデザインを通すため(誰もが納得するデザインができる)には、デザインだけでなくビジネス戦略を立案できる幅広いスキルが必要だと感じました。

デザイナーとしての自分自身の価値を見つめなおす

この本は、コンサルティング的な事が多く書かれており、正直デザインの本とは言えないかもしれません。しかしながら、同じデザイナーが著者ということを考えてよむと、こんなにも視野が違うのかと、色々と考えさせられる本でした。

デザイナーとしてある程度スキルを積んだ人に是非よんでいただきたい本です。

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